2014年6月13日金曜日

17歳(2013)

17歳[DVD]

~なぜ援助交際に奔るのか~ 

〇はじめに 
 日本でテーマとするならば、~なぜ援助交際をするのか?~ といったことになるのでしょうか。しかし、日本を舞台に制作された場合、評価されるかどうかは疑問である。 
以下敢えて援助交際として話を進める。 

 フランスという舞台と、フランス語という何か芸術性を感じてしまう雰囲気だからこそ観入ってしまった、といわれれば否定できない気がする。 

〇17歳 
 性に対して興味を持ち自慰行為にふける主人公。性交渉に対して何か淡い期待を持っており、性交渉をすれば何か違った世界が広がるのではないか、という希望的観測。 しかし、実際に行ってみたが想像していたものとは違った。得るものよりも失ったものの方が大きかったのかもしれない。初体験中に自分が自分を見つめるシーンがあり、それが過去の自分との決別を意味しているように思えた。もう戻れないよと。そこから彼女は援助交際に奔りはじめる。お金目的ではないという。何が望みなのか? 

 何度も援助交際を続ける中で、ある時相手男性を死なせてしまう。それが枷となり一時は援交をやめるに至るのだが・・・。 ラスト死なせてしまった男性の妻に合う。一緒に事後の部屋に行きそこで赦しを得る・・・多分。そして最後の「フッ」っという笑顔。おそらく彼女はまた同じことを繰り返していくのだろう。結局なぜ援助交際に奔るのかという理由は彼女にしかわからない。いや彼女にも正確にはわかってはいないのかもしれない。憶測になってしまうのだが、彼女にとって性交渉自体にはなんの意味もなく、何か満たされない気持ちをただ一時でも埋めてほしい、その方法として相手が私を必要としてくれるのがたまたま性交渉であった、というだけなのかもしれない。且つ性交渉により対価(お金)を得られる援助交際は、自分の価値を確かめるのにはうってつけであったと。自分の自分に対する価値判断と相手の自分に対する価値判断の比較。それが性交渉とお金であったのか・・・。 

〇最後に 
 クロエ・グレース・モレッツ主演の「HICK」という映画と同じものを感じる。年齢や性的描写は違えど、自分の思いと周りの思いとのギャップや、自分の理想と現実のギャップ、に思い悩む女心。複雑だな~。 これは答えを求める映画ではなく、その答えに苦しむ様と、我々に考える余地を与えてくれることを楽しむ映画。

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