2015年5月3日日曜日

フォーカス(2015)

字幕翻訳:藤澤睦実 


~ 〇〇びよ~げか~ ~ 

〇はじめに 
 ヒロインの笑い方がツボだ。是非とも騙されたかった・・・・ 


〇こんな話 
 あなたの視線を盗みます。


〇騙される心理 
 どこまでが策略で、どこまでが想定内なのかという幅や奥行きが見えにくく、騙し騙されというワクワク感は見事に演出できている。主人公が仕事である詐欺は手堅く薄利多売というのに対して、ギャンブルが趣味らしく仲間から注意されていたりする。ひょんなことから始まった賭けが大きくなっていく様や、女には意図が知らされておらず、計画性を感じ得ないところもすばらしい。そして笑いの要素も組み込めているために、飽きずに観られることだろう(主に技術屋とのやりとり)。 

 しかし、その要素や布石をふんだんに組み込んでいる大物ギャンブラーとの騙し合いにおいて、それがくどくなり、ネタばらしにおけるハードルが高くなり始める。そしておそらくこの騙し合いが一番の盛り上がり。主人公主導の詐欺に加わっている仲間の数を事前に見せていることで、あのアメフトの試合自体が作られたものと見てしまっている人もいただろう(私だけか?)。それに比べると意外とまとも?なトリックなのである。

 目や耳から無意識に情報を刷り込むのだと。そのトリックを数字で観せてから画面の端々に赤色を強調しだす。これは何のためだったのか。ここがさっぱりなのである。最後物足りなく感じてしまう1つの要因なのである。 FIチームのオーナー1人だけを対象としているという認識を我々に植え込むためだったのか。彼のチームカラーが赤だったのか、彼のアジトには赤色の車が大量に置かれていた。赤は数ある内の一色でしかないというような、様々な色がひしめく画も観せてはいた。これがオーナーへの詐欺が数ある内の1つという暗示だったのか。


 割とはじめの方に最後のネタばらしとなる単語を出しておくことと、その単語に付随する主人公の事実を、女や仲間に対する関係性というか情に絡めることで煙に撒こうとしているのだろうが、さすがにお粗末すぎる。比較すべき情報の質が違いすぎることに気付かなかったのか。騙しと聞いて身構えるサスペンスやミステリー好きはこんなことでは引っかからない。それにひとつだけ単語として出してしまっていることも引っかかる。

 例えばだ、スリの技術のところで、非注意性盲目とかなんとか言っとけば、先ほど言った画面に散りばめられている赤の色彩も活きたのではなかろうかと。
・・・百聞は一見にしかずってなところも狙ってたのかな??語りや単語は耳からの情報だけでしたしね。実際に撃ったのは最後だけだったので・・・


〇最後に
 どんでん返し系を期待して鑑賞すると肩透かしを喰らうだろう。しかしキャストの演技はすばらしく、先ほども書いたが幅や奥行きを測らせない。そこが何ともおもしろく観られた。特に技術屋の笑い要素はこの作品に欠かせなく、且つそれに笑うヒロインが個人的に堪らない。我ながら、どこ観てんだか・・・

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