2018年1月9日火曜日

96時間(2008)

96時間



~フライング~


〇はじめに
 リーアム・ニーソンがバッチグーだよねこのシリーズ。

〇想起する作品
 「テイク・シェルター」(2011)



〇こんな話
 娘が攫われる。



〇フライング
 父が娘を想うというところを誘拐事件における追いかけっこと関連付けたのは王道展開だろうが、ここに違いを見出させたのは本気で興奮した。




 犯人が先に走り出し、それを主人公が追いかけるというカタチが主なわけだが、これは誘拐(という犯人のスタート)時点で犯人のスタートダッシュに待ったをかける。もうむしろ主人公側のフライングと言って良いかもしれない。攫われることを防ごうとするのではなく、この時点ですでに攫われるという前提を作り出し行動を開始する。ここでもう彼の実力が見える。終始犯人側のリードではなく、彼のフライングで本当に最初の最初、一瞬だが優位に立つ。優位というと語弊があるが、彼のこの咄嗟の行動のおかげで犯人の声という決定的な手掛かりを引き出すに至るのである。後はいくらリードされようが犯人側に打ち込んだ楔を手繰り寄せていくだけだ。

 犯人へと辿り着くまでにも彼の有している術(ネットワーク等)はひたすらに観せられ、その追い詰めていく展開は痛快であるわけだが、この作品のパンチはそんな感情を抱いた人間たちにすら「いやそこまでする必要ありますか?」と思わせたことだろう。


 ただ、捜索過程はともかく、誘拐事件がこんな風に解決できたらいいねという願望ありきで、リーアム・ニーソンの奮闘劇を見るとなんとも興奮してしまう。ん~、おもしろい。




〇警戒心
 始めの父親の行動が過保護というか心配性の様に描かれるわけだが、それよりも母娘の馬鹿さ加減というか無警戒さに目が行ってしまう。まぁでも普段から警戒の必要が無ければこんなもんだよね…実際。周りが皆泥棒だ誘拐犯だって疑って生きていないってのは良いことでもあるしね。






〇最後に
 誘拐事件に限らないが、この手の対立というのは犯人の正体がわからないことで不利な状況に立たされるもどかしさというのが浸透しているから為し得る痛快さで。しかしそれすらも超越してしまう過度な娘奪還劇は、我々に一考の余地ありと疑問を投げかけている、わけでもないのかな・・・。


 ではでは・・・



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