2016年7月17日日曜日

イーオン・フラックス(2005)

イーオン・フラックス[DVD]


~エゴ~


〇はじめに
 日本でやるなら主演は武井咲かな。


〇想起する作品
 「リベリオン」(2002)
 「トゥモローワールド」(2006)
 「アジャストメント」(2011)
 
 「ウェイワード・パインズ 出口のない街」

 「13番目の客」
  ・・・世にも奇妙な物語にて
〇こんな話
 とりあえず現政府に反抗してたけど、とんでもない企みが進行していた!!


〇人間
 ワクチンの副作用として不妊に陥った人類の打開策としてクローン技術を応用しひたすらにDNAをリサイクルしていましたと。

 今の世界においてもDNAの塩基配列は有限であるにしても、この世界におけるたかだか500万人未満の人間のDNAをひたすらにリサイクルするのとで、「個」という存在は果たして広がりを見せるのか狭まりを見せるのか。人類はどこへ向かおうとしているのか・・・

 これも結局は人類というものをどこに置くかで変わってくるわけで。

 地球に人類が住まわせてもらっているのか、住んでやってるのか。人類が環境に適応していくのか、環境を人類に合わせるのか。

 これは今回はいいんだよ・・・ まぁまたここに結局は還ってくるんだけど・・・



〇エゴ
 「生」とは「死」があるからこそなのだと。1度きりの人生だからこそなのだと。

 形あるものはいつかは壊れる。壊れるからこそ大切にし守ろうとする。では壊れなければどのようになるのだろうかと。

 終わりがあるからこそ貴重であるのだと。だからこそ人間として生きることに意味を見出そうとするってなお話なわけで。


 「欲」というものが人間を堕落させたのは確かに事実ではあろう。古代ローマとか? しかし逆に発展させてきたのもまた「欲」であろう。そしておそらくこの「欲」の頂点に君臨するのが「不死」というものと定義している。


 弟さんの欲は今の世界における真実を私だけが知っているとして、無知な人間たちを支配していることで満たされていることを理解しないといけない。

 世界の実情を知っていたのはほんのわずかな者たち。他の大多数は有限の命と思って生活をしていたわけだ。何ら生活に苦悩はしておらず、ユートピアだと思っている者さえいた。終わってみればその支配体系が問題となってしまうわけだが、果たしてそれを打破することが本当に人類のためだったのかと。

 弟さんの「不死」という欲が満たされるのは、有限の命があってこそなのである。俺だけすげぇっていう特別感の実感。

 確かに選民であったわけだ。不妊治療が功を奏してしまえば、今のクローン技術の必要性は薄まる。今の政権が機能しなくなるかもしれない。そのためにもシステムに有害な人間を排除していた。

 これが見えてしまったことによってイーオンは現行のシステムを破壊しようとするわけだ。生きていたのではなく、生かされていたのだとして。

 でもこれってイーオンの勝手な欲(エゴ)でもあるわけなんだよ。今まででシステムは完結していたんだ。それによって排除される者たちが出ていたのは事実だが。その少数の犠牲で賄われていたんだ。

 その犠牲を良しとしないのが反政府組織のモニカンなわけだが。彼らもまた利用されていたとかなんとか。


 まぁつまりラストの見え方として、曲解でもなんでもなくそのまま受け取ると・・・

 今まで何ら不自由なく暮らしていた多くの人間たちが、イーオンの生きることってのはこういこと!!という価値観(エゴ)を押し付けられて、あとは勝手にやって!!と放り出されているわけである。

 今までの秩序を勝手に掻き乱し、放り投げていく。最近では何の計画性も無く国立競技場壊しちゃったのと一緒だよ。

 あとは善意の押し売りね。とあるモノが欲しいとする。自分の好みやらでそれに決めたという絶対的なモノだったとする。しかし他者がそれを一切汲み取らず、自分こそが正しいのだという妄信で勝手にこれが良いですよと押し付けてくる感じ。ウザイよね。


 犠牲となったマイノリティとイーオン側の視点だからこそ最後はどこか正義が勝ったと見てとれるわけだが、もう片方からも眺めてみてほしい。





〇最後に
 もしかして弟さんとイーオンの「エゴ」と、DNAリサイクルの「エコ」が掛かってたのかな。

 ではでは・・・



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