2015年11月25日水曜日

サヨナラの代わりに(2014)

字幕翻訳:稲田嵯裕里


~ふたり~

〇はじめに
 Finally~♪♪


〇想起する作品
 「最強のふたり」(2011)


〇こんな話
 ケイトとベックの物語。

〇ふたり
 はじめに対照的な性格や生活観、関係性の2人が対比して描かれ、どのようにいがみ合い、打ち解けあっていくだろうかという展望は容易で、安心して観ていられる。その分2人に目が行き話に入っていけると思う。

 15年間連れ添った夫婦と病。夫の浮気とべックの不倫。話を聞いてほしいケイトと、歌を聴いてほしいベック。死と将来。自分を見ない人、見ている人。

 彼女の言葉が聞き取れるか否かが、彼女という存在をどう認識しているのかという基準になっており、関係性の変化も把握しやすい。

 同じ病の先輩を描くことで、ケイトの辿るであろう1つの道も示された。



 これらの情報が我々の心の準備を踏まえ、段階的に悪化の一途を辿る病とを照らし合わせてうまく表現されていたと思う。




 いや~、最後よね。ついつい涙が・・・

 ケイトの過去話の中で、私のために情熱的な歌を歌い、その後情熱的に私を見た男がいた、というのがあった。しかしケイトは私を見てくれる人ではなく、見ない人を選んだとか。これと繋がるんよね~。

 ベックは最後ケイトにもらったハイヒールを履き情熱的に歌う(洋服も?)。自らの歌詞を最後まで書けず、人の前で歌えなかった女性がだ。彼女を想ってだ。そしてベックを見つめる人間の存在も映し出されていた。


 死したケイトと、将来のあるベックってな対比もあったのだろう。ケイトは1つのゴールに、ベックはまだ選択肢が。

 生前彼女たちは対照的であり対等な関係を築いていた。それは片割れの死後どのように作用するのだろうか。残された夫、友人、ベックはどうなるのか。

 ベックの将来を気遣うケイトがあった。しかしその心配を余所に、振り払うかのように、彼女の知るところでなく、力強く歌うのである。ケイトは誰かに見てもらう努力ができなくなった。じゃあ誰も彼女を見ないのか、死と向き合わないのか。この1つの答えが最後の歌なのだろう・・・



〇余談
 ケイトとベックが2人でシャワーを浴びるのは、邪な気持ちが湧きつつも、「裸の付き合い」ってな表現だったのだろうと。これも1つの段階ですね。あちらさんにそのような意味合いを持つ語句があるかは知りませんがね。
 

〇最後に
 今年1番、いや2番目に最後どっば~来ましたね。涙腺が緩い方、何かしらご持参を。

 ではでは・・・


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