2014年11月29日土曜日

イコライザー(2014)



~正々堂々~

〇はじめに
 クロエさん、盛り過ぎです。いえ、ありがとうございます。

〇こんな話 
 面倒見の良いおじさんが、悪をバッタバッタとなぎ倒すお話。

〇正々堂々 
 この映画の渾身のギャグがおわかりいただけただろうか。イコライザーだけにね、とでも言わんばかりの渾身のものを。 

 まず彼の能力の高さを提示する場面。宣伝では19秒で悪を退治するされていた場面だ。彼は単身で悪党の本拠地に乗り込むのである。そこでバッタバッタと敵の持ち物で敵を一掃する。これが何を意味するのか、最後の刺客との対決の場で活きてくる。対決の場とは彼の職場であった。では彼が働いていた職場とは何だったのか、思い出してほしい。そう、ホームセンターである。彼は職務を行うにあたり、間取り、物品の有無・位置を把握している。彼は店内にある物品を十二分に活用し敵を追い詰めていく。この辺でお気づきになられた方も少しはいるのではないだろうか。そう、彼にとってのホーム(ホームセンターと掛けてる)なのである。そして敵の本拠地に単身で乗り込んだ場面、あれが彼にとってのアウェイである。つまり彼はホーム・アンド・アウェイ方式で悪と戦っていたのである。敵地にて不利な中、自分の本拠地にて有利な中、と2試合行っているのだ。どちらでも彼は勝利した。悪に対しての完全勝利を意味する。最新鋭の武器が、ホームセンターで売ってる物に負けますしね。スカッとした。 いや~、おもしろかった・・・ギャグが。

〇19秒 
 宣伝で前面に押し出してくる19秒での悪者退治という文句。いったいこれは何を意味していたのだろうか。実際のところ劇中彼は悪者退治に時間という制限を設けていない。じゃあ何なんだよという声が多いだろう。私の見解を述べさせていただく。

・宣伝だけで考えた場合
 正義が悪を倒すという構図でよりおもしろさを持たすのは何のか。
正義という悪には無い制限性である。悪があらゆる手段を用いて正義を倒そうとする中で、何か流儀があり、恩義があり、どこか感傷的であるという正義の弱みでもあり強みでもある部分。というのを際立たせるための制約的なものだと思っていた。

・実際に鑑賞してみて
 はっきり言うと、19秒という数字には彼は何らこだわりはない。彼の前職が関係してだろうきっちりとした正確を際立たせるための1つであった。とともに正義という位置づけの甘さを示した場面でもあった。
 彼は危険察知能力や、状況の見積もり能力に長けている。そんな彼の敵地での状況把握により、悪者退治の設定、見積もり時間は16秒であった。しかしなんやかんやあり28秒かかってしまう。のだが、自分で勝手に設定するロスタイムを引いて19秒とするのだ。それが19秒という時間の現れ方なのであった。ここから勝手に解釈することは・・・。
 設定時間を定め自らにノルマを課し、それを過ぎてしまったと自分を戒めているととれば、彼の面倒見の良い性格から他人に優しく自分に厳しくとシビアなものととれるのであるが、ロスタイムを勝手に設定して、実際のかかった時間を差し引いている方に重点を置けば、ある程度寛容さを持ち合わせるという正義の甘さの象徴ともとれるのである。要は彼がどんな人間であるのかということを感じてくれという象徴的なシーンであったと。
 それにしてもこのPV作った人、映画観てないんじゃないのぉ~???? 煽っていきますよ(笑)

〇余談
 読むべき100冊の本として出てきた「老人と海」という作品に対しての最後の彼を背景に描かれる海という画と、「見えない人間」という本を前にしてのインターネットによるやり取り。狙っているんだろうな。

 主人公に対する刺客の実力としての描き方は、主人公の最善且つ最適であろう戦い方に対して、容赦のない、わざわざ痛めつけるような画であり申し分ないのだろうが、何分主人公が常に上を行く。それは正義という制限性ありきで描かれるために尚更かっこよく観える。デンゼル・ワシントンならではだと感じた。
 強いて不満を言わせていただくのであれば、ホームセンターで戦うに至るまでの主人公に対して刺客が仕掛ける策が甘々すぎることか。主人公の知人を人質に取るものの、それとの対比が自分たち(悪者だけ)のところに来いというものなのだ。「悪者だけ」と「悪者&人質」というどちらかを選択させる形で、感傷的な主人公が知人たちを見捨てて、のこのこ悪者たちだけの前に姿を現わすはずがない。これはどちらにも人質を用意しておくべきだった。天秤にかけさせるべきだった。

〇最後に
 正義という制限性がありながら、常に悪に対して上を行く感じが何ともカッコよく、デンゼル・ワシントンという風格があってこその作品だと感じた。
 最後の終わり方は正義の味方を職業にしようとする終わり方なのだろうか、シリーズ化の方針で行くのかはわからないが、それならば是非とも決めていただきたい文句がある。彼の正体についてだ。時折「お前は何者だ?」という問いが彼に投げかけられる。元の職業やつながりは明かされるものの、この問いには性格には答えていない。ここで是非とも某探偵漫画のような、「ただの小学生だよ」といったような見た目通りか、「探偵さぁ~」といったような見た目とのギャップでかっこよく見せるような決まり文句を作ってほしい。よろしくお願いします。

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