2016年2月3日水曜日

ぼくらの家路(2013)


~親と子~

〇はじめに
 Justine Ewerth
 ・・・JACKに蹴りを入れる女の子ですね。女優かはわからないが今後勝手に注目する。検索をかけても情報が出てこない。おそらく忘れるだろう。

 
 もう少し兄弟の冒険を壮大に描いても良かった気がする。しかし母親探しを始め、食糧や寝床の確保、友人知人に元彼を訪ね歩き、電車やバスに駆けまわる。少しの段差ですら苦労する様子も描かれていた。これを思うと、如何に彼らにとって壮大な冒険だったかは伺える。双眼鏡も自らどうにかしようとしてたしな。手段・方法の無い中、できることをする。せざるをえない彼らの境遇。ここを理解せねばなるまい。


〇こんな話
 母を訪ねて・・・


〇親
 人間誰でもタイミングや条件が揃えば子は産める。

 しかし、

 子を作る、子を産む、子がいる、子を育てる

 これらと必ずしも親であることは一致しない。親でなければならない必要性・必然性は説かれて然るべきだろうが、JACKは最後とある決断をする。


 母親と一緒にいるために、弟の面倒に奔走するJACK。自ら朝起き、朝食の準備やら習慣づいている様子。自らの好奇心もあるようだが、弟の世話を優先している。池での船の件がそれだ。しかしJACKはとあるミスを犯す。母親、弟と引き離され独り施設へ。

 施設でもいじめが横行しているようで・・・ 

 とある事件もあり、弟と共に母親を探すことに。 


 親のいない、帰る家の無い子どもは社会でどのように扱われるのか、生きていかねばならないのか。そんな「現実」をまざまざと痛感したJACKと、いつまでも[親]としてではなく[女]としての「夢」を追いかけている母親。

 ここで彼には見えてしまったのである。この先が見通せてしまったのである。どちらが子どもかもうこの時点でわからない。

 彼らの母親を想う気持ちはこの2日間の冒険でひたすらに見せつけられた。しかし母親は何事も無かったかのように彼らを迎え入れるのである。ポカーンだった。


 「どこに行ってたの?」

 じゃねえよ・・・・

 「指環きれい?」

 じゃねえよ!! タコ!!! 

 お前にはいったい何が見えているんだよ。彼らにとってあんたは唯一の母親なんだよ。お前にとっても唯一の息子たちだろがよ。



 電話に出ない、折り返しの電話も無い、知人に弟を預けっぱなし、メモも読んだ形跡が無い、気付いてすらいない。確かに彼らに優しさを振りまいてくれる。息子たちは一緒にいるだけで幸せなのかもしれない。しかしそれは彼女にとっては都合の良いものでしかないんだ。彼女が描く未来に、幸せに、明確に息子たちは映っていない。JACKもそれを感じたのではなかろうか。


 弟が靴ひもを結べるようになったと母親に自慢するシーンがある。これはJACKが彼に教えたものだった・・・よな?。子は、親の知らないところで成長をする。ってな肯定的な考えもできる。JACKは確かにそれ相応の知力を有しているようだ。しかし、JACKには母親の代わりは無理なんだ。


 「大人」「親」とは何なのだろうな。身体ばかりが大きくなったところで・・・ そしてそのまま老いていくものもいる・・・


〇性
 快楽を求めセックスに耽るのは人類という種を含めて数少ないそうな。

 避妊率は100%ではないが、できるときは些細なことでできてしまうし、できないときはひたすらにできない。

 これらに考えをめぐらすといつも思ってしまう。望まれるべくして作られた、生まれてきた子どもはどれくらいいるのだろうかと。

 子どもを作ろうとしてセックスをし、そのセックスで必ず子どもができるのかと。何を想うこともなく、その行為に及ぶこともあるわけで。今日、この日の、いついつの、何回目の、とまでは指定できないでしょと。中絶をする方も多くいるわけで。何回も行うという前提はあるわけだが。

 人間の「身体」はとある時期から子どもを作る準備をはじめる。それは人によっては「精神」が伴わぬまま。要は子どもが子どもを産めるわけだ。その後放棄する者と育てる者。当然問題は出てくるわけで。

 大人、子どもの区別は明確にすべきだろうが、そこら辺は感じ取ってほしい。強いて言うなら基準は責任能力とするのかな。自分のキャパを把握しているか否か。

 わからん・・・

 ま~責任能力という問題に関しては、子作りの際にというよりも、妊娠が発覚し出産するまでの期間が設けられていることを焦点に話をするべきか・・・、ここではやめておこう。


〇最後に
 双眼鏡の件ね。彼なりの方法でね。やるせないね。

 ではでは・・・


0 件のコメント:

コメントを投稿

悪女 AKUJO(2017)

~アクションは爽快~ 〇はじめに  韓国ではこの方はイケメンの部類なの? 〇想起する作品  「ニキータ」  「アンダーワールド」(2003)  「KITE」(2014)  「ハードコア」(2016)  「レッド・スパロー」(2018)...