2017年8月10日木曜日

不良探偵ジャック・アイリッシュ 死者からの依頼(2012)

不良探偵ジャック・アイリッシュ 死者からの依頼


~因果関係を築く~


〇はじめに
 ガイ・ピアースかっこいいよねぇ( *´艸`)





〇想起する作品
 「完全なる報復」(2009)
 「アウトロー」(2012)



〇こんな話
 弁護士時代に扱った案件、何か裏があるらしいよ・・・



〇因果関係
 愛すべき妻の話さえまともに取り合えない男が招いてしまった事態。目の前の事実すら見ることができなかった男が陥ってしまった事態。凄惨な過去を背負う男の物語。




 VHSにてひたすらに過去のフットボールの試合を観戦する老人たち。もう終わってしまった試合、結果は決まっている。どう転ぼうとも歴史上のスコアボードの数字は動かない。一人はボケているのかリアルタイムだと思っている者がいるが、これはその試合を結果を知らないでリアルタイムで追っている人間と、変わらない結果を知った上で過去を見ている人間という観点の違いの示唆なのだろう。

 競馬におけるオッズの操作。レースの映像を見返すことで馬と騎手の実力を見抜くシーンがある。これは望む結果を導けるよう過去を分析することである程度の予想を立てるということだが、リアルタイムでレースを観ていたのにも関わらず見えていない事象があったという気付きの示唆でもある。

 映画を観るに当たってもこういった事象が無いだろうか。1度目の鑑賞では気付かなかった点に2度目以降の鑑賞で気付くということが。まだ見えぬ結果へと向けた盲目で行き当たりばったりな作品へのアプローチと、1つの結果を迎えある程度の答えを知っているからこその過去を鑑みるという逆説的なアプローチ。問題から答えを導き出すのと、答えから問題へアプローチするのと・・・

 老人たちの会話に、昔なじみの刑事とのつるみに、懐古主義が見受けられるのもこれだろう。昔は良かった、黄金時代だ・・・ この辺りは「ミッドナイト・イン・パリ」を観ていただければと思う。

 競馬の話は単純に賭け事として見るべきか。結果を知っていれば簡単に儲けられるがその結果がわからない。特にモヤモヤするのが絞り込んだはいいが二択をミスった場合ね。結果が出てから逆を選んでいればとひたすらに後悔する。たった数時間、たった数分で雌雄を決するあの複雑な感情。負けたという事実は覆らないのに、半分勝てていたという訳のわからない自信が顔を出してくる。ドツボだ。




 リアルタイムでその都度真実を見抜く、結果的に正しくなる選択をするというのは心底難しいわけであるが、現在と過去とで観点の違いから全く異なって真実が見えてくるという示唆を散りばめ、愛する者を失った過去を背負う男がどう現実に、過去の上に成り立つ現実に目を向けていくのかという姿勢の描かれ方は一貫しておりよかったと思う。





〇最後に
 これシリーズなんだよなぁ~、いずれ・・・




 ではでは・・・




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