2017年6月4日日曜日

パーフェクト・トラップ(2012)

パーフェクト・トラップ


~ホントの罠屋敷~


〇はじめに
 プロ集団の見せ場はもう少し用意してほしかったよね・・・ せめて何個かトラップ解除するとか見抜くとか・・・



〇想起する作品
 「ジュラシック・パークⅢ」(2001)
  ・・・プロの傭兵集団かと思いきや実はテンでド素人なところ。
〇こんな話
 キャラを増やして盛り上げたというより、収拾のつかないキャラを早く始末したかっただけ


〇VS人間コレクターをもっと凝ってほしかった
 前作で人間コレクターの残虐性を知っているからこその、シリーズとして実態を暴くという動機も兼ねた完全アウェイで繰り広げられる非合法な救出作戦という盛り上がり。様々な要素を増し増しにまぁそれは痛々しい仕上がり。



 ただこの監督話の広がりを描くのは不得手なんじゃないかな。風呂敷の広げ方というより、その広がった状態を描くことが。

・・・というのも追加されたキャラが立たない。

 前作は家族のため、娘のためという父親の想い(動機)というところを特化させたのが良かったわけだよね。独りなら逃げられたが娘と同じ年頃の子を見捨てることはできないとして助けに戻るといった。父親側から(だけ)のベクトルでひたすらに描かれた想いがワンシチュエーション(でもないんだけど)に奥行きをもたらしたというか、功を奏した。マイナスに捉えられてしまかもしれないが小さくまとめた。いや小さいところを描くことで広がりを勝手に想像させるのがうまかった・・・かな。わかりにくいか・・・。

 今作もその動機とするところは同じわけだけど、娘への想いという尺度が助け出すためにはどんなに悪いことでもするって方を際立てている。前作における泥棒に入る件を大きくしたってことになる。にも関わらず絶対救出を掲げるプロ集団からその気概を感じない。ただワチャワチャしてる寄せ集めでしかない。父親から娘への並々ならぬ想いや因縁があるようだが、その関係性の架け橋となっていたはずの、今まで支えてきたはずの雇われ部隊の生き様が全く見えてこないのである。

 他人の家で脱出不可能なトラップを仕掛けるほどの人間のアジトよ・・・

 そしてそれを熟知している(とも言えないけど)人間のアドバイスをもらってるのよ・・・

 なんで皆で一緒に入ろう(´▽`*) ってなるのよ・・・

 外に人員は配置しとくべきだろ。まぁ結果論だけど結局警察を頼ることになるのなら、その緊急事態も想定して尚更だろうがよ。

 常套句というか兵法というかその辺の最低限を描いてってならまだわかるんだけどね。なんであんなに無防備で無神経で不注意なんだろうかと疑問ばかりが頭に浮かぶ。


 娘の方(助けられる側)がフィーチャーされているというのもあるのだろう。その想いというのを受け取る側の顔(意思)が見えるとバランスを意識し始めてしまうからな。だからこそ救出部隊の見せ場を作ってやるべきだったんだよね。全員が一矢報いていくとかいうカタチでもよかったんじゃないかな。それでいて見せられるルチェロと人間コレクターの一騎打ちはさぞ盛り上がったろうな。こいつだけなんだよね、過去の実績というか信頼が描かれてるのが。もったいなかったな、対立する人間コレクターの残忍性は十二分だっただけに。




 ただ収拾の仕方はうまかったりするんだよね。起点も前作で助けに戻ったが故にコレクトされた・・・、今作は序盤にて見捨てる様が描かれての・・・と今作の被害者に繋げての、またラストのひとくだりふたくだり。


 あとそうそう、今回目立ったのが自傷行為ね。犯人のアジトを突き止めた方法に始まり。人間コレクターからの一方的なモノではなく、自らとその他の命を守るためというのと、何より人間コレクターに一矢どこらか報いるための自己犠牲というか。この辺りは前作からのワンパターンの脱却と、主人公の想いというところにも繋がりうまかったな。



〇最後に
 痛い。めちゃくちゃ痛い、うん。


 ではでは・・・


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