2016年3月12日土曜日

残穢 -住んではいけない部屋-(2015)

~憑く~


〇はじめに
 人間関係の希薄化が叫ばれる今日。人と人とのつながりを描く人間ドラマが身に染みる。心霊現象が人間たちを結びつけていくこの作品は、その系譜を踏む作品と位置づけて良いのではないだろうか。

 ま~何にせよ怖かった。導入において誰もが一度は経験したことがあるだろう恐怖を描いていくのは反則だ。夜中に行く離れた場所にあるトイレ、独り暮らしにおける物音。後々加わる、家で独りの時に突然なる電話のコール音、チャイム・・・ ブランコwww 大家さん雨戸閉めよ。おばあちゃん、それ猫やない!!ww


〇こんな話
 憑いて来ないでえええええええええええええええ


〇整合性
 「スーパーナチュラル」シリーズが想起された。おそらく世界で広く浸透している神話的要素を持ちこむお話を日本で描くならばこのような描き方がベストな気がする。

 ミステリータッチで現象の真相に迫っていく。怖いもの見たさ。何かが原因で起きている事象現象。未知の現象に人は恐怖し、興味をそそられる。怪談話におけるつながりで、オチ、深淵、理由、答えを追い求めるように。日付や場所といった条件、整合性を基に辿っていく様はおもしろい。そして最終的に人に憑くというところに落ち着く。マジで理不尽、やめてくれ。

 この作品はどこかイメージが先行する。メールでのやり取りから実際に会って調査へ。整合性という観点から推論を基に事態の解明を行って行く、照らし合わせていく。箒を掃くおばあちゃんから、ブランコ、首つりと経緯を経て行く様もそれだ。そして悲鳴というか発声を観せてからその現象を観せたりもする。


 そして辿りつく1つの答え。果たしてそれは深淵か。それとも新たな始まりに過ぎないものか・・・ これがまた堪らなく怖いんだよ・・・、ったくよ~・・・


〇つながり
 自分は認められていないのではないかと承認欲求が先行する時代。人の目を気にし、逆に人の目に気付きにくくもあるという何とも面倒くさい時代。人間ドラマとして「つながり」をテーマに描く作品が多くある。普段は見えないであろう「つながり」という実感がどこか希望を見出してくれる。この作品は心霊現象が人と人とをつなぎとめていく。この時代ならではの虚をついてくるのが信じられない。

 連鎖する憑くというカタチ。現在における横の繋がりに対して、その地に根付いている、語り継がれている歴史や噂。地図や文書のような記録。さらには土地売買、地鎮祭、神棚に仏壇と。先祖代々の縦の繋がりというものを意識させられる。何かしらどこかしらに残ってるんですよね、その人が生きていたという証拠が。誰かしらが認識しているんですよ、その人が存在したということを。ここが見えてくると、実感してくるとほんとにジワジワと怖い。

 そしてラスト。ただ我々が関心を寄せていないところで、気付いていないところでそれは起こっているという・・・ 気付いてあげる、気付こうとするってな、普段は見えていない世界に対して目を向けるということを推奨するべきところに・・・、やめてけろ~ 目を背けたくなる。




〇最後に
 普段見えない部分をフィーチャーする、再確認させられる人間ドラマが好きな方は本当に怖いと思う。拠り所とすべき人間関係。これが心霊現象と化し我々に憑いてくる。最後まで観た方はすでに・・・

 ではでは・・・

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