2015年12月11日金曜日

レインツリーの国(2015)

~言葉~

〇はじめに
 西内まりあのくしゃっとした鼻を中心とした表情の変化に北川景子を見る。そして口元も誰かに似ている・・・が思い出せない。とりあえずいちいち仕草がかわいい。

〇想起する作品
 「ユー・ガット・メール」(1998)


〇こんな話
 ま~、オフ会してそのまま付き合うに至る・・・みたいな。
 ・・・ん? 2人の場合は表現変わるんか??



〇言葉
 メールのやり取り、ラインのやり取り、直接相対してのやり取り。この辺にもっと間をもたらしてくれても良かった。違いを示してくれても良かった。

 メールやラインの文章が時折顔を見せる。

 メールやラインの文章を打つシーンがあるわけだが、全てがストレートなのである。間違えることを知らない。誤字脱字、誤変換がまるで無い。ここが気がかりで仕方がなかった。予測変換が使われるような場面もあった。そんなに1回目で出てくるものなのかと・・・
 ま~ここがスピーディじゃないと実際の彼女とのギャップが際立たなくなるんだけどね・・・ そもそもそのギャップもただの耳の障害だけで終わるという・・・

 仕事ならではの能力なのか。日常的に知人友人とのやり取りに慣れているということなのだろうか。でも彼女にはそんな関係を築いている人がいないのではなかっただろうか。

 メールやラインであれば、言葉を選ぶことができ、伝えるべき言葉が洗練される。この時間を掛けられるというところが利点ではないのか。そして実際に相対したら、勢いで口から出てしまう咄嗟の言葉もある。伝えるまでに踏む段階が違うんだ。


 恋愛の熟成。夜9時までだと先輩。

 ここを9時から文章を打ち始めるのではなく、9時にメールを送れるように、文章を練りに練った方が言葉の重みも伝わったのではなかろうか。そうするのかと思って眺めていたらあらビックリ。


 文章を1度は打つが、送らずに消してしまうようなシーンはあった。1回伝える言葉を確認する間が与えられる。思いとどまれる。しかしそれは文章を送るかどうか、伝えるかどうかを迷っただけであって、伝えるべき言葉を選んでいるのではない。相手に伝える際の表現に気を使うような仕草を是非とも取り入れてほしかった。

 返信が来ないというのも、言葉を選んでいるのではなく、単に何を伝えていいのかわからないのと、悩みや迷いってな部分であって、言葉の重みってな部分には繋がらない。ん~、いや繋がるんだけど・・・

 メールでの言葉を後々後悔するようなシーンが時折あったと思う。野暮ったいだかなんだかのとこで気になったのだが。こういった後々の反省や言葉選びの貴重さみたいなところのフォローがまるで活きてこない。それがひたすらに残念だった。

 関西弁ならではの良さと悪さなのだろう・・・

 
 つまり、単に言葉って言っても様々な表現がありまして。その表現の仕方で感じ方も変わってくるわけで。

 否定的な言葉で申し訳ないが、単に「馬鹿」という意味合いを伝えたいとして「頭が悪い」だとか「おつむが弱い」ってな表現もできるよねと。そして状況において使い分けることで、相手へのダメージも違う。この辺の使い分け、タイミング等をもっと考慮してほしかったなと。

 


 健常者と障害者における社会的な立場だったり、立ち位置だったりを何かしら取り入れようとしていたのに、最後歩きスマホチックで、道の真ん中で周りも見ずに立ち止まりスマホをひたすらにいじる。そして路チュー。彼ら2人だけの世界と化す。

 どうなの??

 主人公2人の境遇だったり感情吐露だったりでキャラを深めようとはしていた。そんな経験をしてきた彼らだから、そしてこれからも見つめるべき事実があるんじゃないのか。だんだんと彼ら2人のための世界になっていったのが何とも気に喰わない。

 エレベーターの件における排除しようとした彼らと・・・ 突き飛ばしたバカップル、セクハラおやじと同じではないか・・・ 彼ら独自の価値観を押し付けてくる。僻みOLもいたか・・・
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 待てよ、むしろ全てを平等に扱ったのはあの突き飛ばした男ではないのか? 彼は障害者と知らずに突き飛ばしたわけだろ? 単に自分の邪魔だからとそこにいた人間を排除しようとした。障害を公言したのは主人公だし。コンプレックスや価値観を押し付けたのはこの場合主人公側になるな・・・
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 細かい人物設定が粗すぎやしないだろうか。一貫していない。結局その辺のメロドラマと変わらんだろと。結局彼らが、自分らが幸せならってなお話で。全てが都合良くなる。

 ほんの少しで良いんだよ。歩きスマホで立ち止まる際に周りを気にしてから画面を見るとかさ。邪魔にならないような場所に行くとか。

 バカップルに突き飛ばされるのも、その状況に陥るのを未然に防ぐとかの方が良いんでない? あんな大事にならず、無関心な奴らをディスれたじゃん。あいつらにはどうせわからんと。

 結局彼らはお互いの幸せのために、お互いだけしか見えていないという帰結を迎えており、そんな思考が他者を苦しめているかもしれないということを散りばめながらも、障害者であるから被害に遭っているという訳も分からない戯言を交えつつ、自らのコンプレックスや価値観をひたすらに擁護し、正当化すると。

 もう、どうでもいいや。



〇疑念
 閉鎖とか言う前に・・・、そもそもブログを定期的に更新してる素振りが無い・・・


 とある本をきっかけに出会った2人が、日常的に本に親しんでる素振りが無い・・・

 すぐにネット検索も気になる。結局フェアリーゲームの下巻は読まずじまいだったでしょ・・・

 本がただの近づく手段にしかなってない・・・

 結局彼女にしか優しさが向けられていない・・・

 あとは他者批難・・・


〇最後に
 何ともしっくり来なかった。

 ではでは・・・


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