2017年2月9日木曜日

ブリッツ(2011)

ブリッツ


~正義の代償~


〇はじめに
 最後までチョコたっぷりだもん・・・、それトッポや

 個人的にはサラダ味より、ロースト味が好きなんですよね・・・、それプリッツや



〇想起する作品
 「デアデビル」(2003)

〇こんな話
 警官殺しの愉快犯 VS 無法者刑事・・・、ってな感じでも無いんだよね。




〇正義の代償
 どうにも犯人が中途半端に感じてしまう。さらにはこのオチに持って行くのならば尚のこと刑事2人に焦点を当てた方が良かったように思う。バディムービーとして描いた方が、貫いた方が。



 対称的な2人が対称的に犯人に迫るのかと思いきや別段そういうこともなく、いや当初はその兆しがあったものの結局ぼんやりしたものになってしまう。そのぼんやりから、犯人が見間違えるまでに至るところに繋げたかったのだろうが・・・?? 序盤の2人の関係性の描き出し方がうまかっただけに勿体無い。



 犯人側の視点を入れている所為で警察が有している情報の関連性とは別の余計な情報が勝手に入ってくる。犯人、警察ともに杜撰さを意識させてしまってはダメだ。これではラストの皮肉は活きない。マスコミへのリークやオフレコ、特ダネといった類の兼ね合いを見せたいのならばもっと気を遣ってほしかったところ。犯人の目的に始まる警察側の情報と警察による世間への情報公開、マスコミの情報とマスコミによる情報公開。この差異を明確に描き出してくれないと。

 犯人、警察、マスコミ、情報屋・・・、それぞれが自己の利益を、欲望のままに行動した結果もたらされた事態であるわけだが、これが甘く感じる。道を分けた結末の皮肉として、一味違う要素として用いられているのが誰かのためを想っての行動というところなのだろうが、悪事を揉み消そうとした婦警の話もピンと来ない。男と女の兼ね合いをいれざるをえなかったのはわかるが、いらなかったのではないか。ただ玄関まで送り届けなかったのかというナッシュの悪態はなるほどと唸った。価値観や趣味嗜好による見解の相違。男が男を、男が女をどう見ているのかという隔たりを決定づけた。それまでにブラントの女性とのやり取りを観せているだけに、ナッシュというキャラが見事に際立つ。ここには惚れたよ。吹替えがうまかったのもある。


 描きたかったことと言えば、正義の行使というところなのだろう。彼は確かに悪を懲らしめている。力で悪を抑え込むという方法でだ。彼のやり方は正しさを顕示する1つの方法ではある。

 彼独自の正義感を警官という権力を後ろ盾により正当化できてしまうのが序盤で問題となっているところで、その代償が劇中描かれる騒動。彼の行き過ぎた正義が新たな悪、生まれるはずではなかった悪、それよりなにより被害者が生まれてしまっている事が問題なのだ。それをまた同じ方法で葬り去る。いや、悪には悪をという別のカタチで葬り去る。新たな火種を生まないカタチで。

 正確には悪という行いを悪にそのまま還すといったところか。正義が悪を生んだのではなく、悪が開き直っているのだと。自らの行いの悪さがただ自らに向いた結果なのだと。

 行き過ぎた正義から生まれた悪という代償。そこに法律で捉えきれない裁ききれない悪の存在。法律で裁けないからと正義が悪に屈服していいのか。正義故の代償は誰にめぐり、後始末や尻拭いはどこで誰が担うのかこれを踏まえたオチとしてはなかなかにおもしろいものがある。興味深いものがある。





〇最後に
 勝手ながら惜しい作品だったな。もっとおもしろく観せられたはず。

 ではでは・・・


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