2017年2月13日月曜日

犯人に告ぐ(2007)

犯人に告ぐ


~縦社会~


〇はじめに
 最初の神の御言葉とやらが全てなんだよね。



〇想起する作品
 「殺人の告白」(2012)
 「64」(2016)


〇こんな話
 今夜は、震えて眠れ。


〇縦社会
 最初に展開される捜査から警察における派閥や縄張り争いが垣間見られる。面子、手柄・・・。事件解決こそが何よりも望まれるもののはずが、同じ目的を有しているはずの者たちが争っている。

 そして組織という特有の体質。上下関係、責任問題。誰かしらに責任を負わせることで解決を見ようとする。言わばとかげの尻尾切りだ。上からの命令に従わなければならない際、それをストレートに実行するのでは支障があるからと、板挟みにあう人間が創り出される。というより自らそれを背負い込む人間がいる。そして背負わされる人間がいる。

 そしてマスコミ。周りが新年を祝おうとする中祝っている中はしゃいでいる中捜査に当たり、家族の命よりも優先する気概で望んだ人間に対して非難の言葉を浴びせる。

 そして遺族の怒りの矛先である。何より悪いのは犯罪である、犯罪を起こした者である、犯人である。にも拘わらず彼らは捜査の指揮をしていた人間に怒りをぶつける。警察が誘拐された児童を殺したのだと。息子を殺したのはお前だと。

 そんなところを踏まえさせられ、作品にアプローチしていくことになる。 新たに起こっている連続児童殺害事件を見つめていくことになる。





 番組におけるやり取り。それぞれの立場における事情というものが見えてくる。大御所アナウンサーと若手?女子アナ。元同業者のコメンテーター。そして裏手では間を繋ぐ、尺を繋ぐということを重要視する。事件解決が目的ではなく番組を成立させることに重きが置かれ、そして何よりは視聴率であり数字が指標となる。他局との兼ね合いに男女関係を絡めたり、その評判や評価に手の平クルクルする上の人間たちはもうコントの域だ。コメンテーターのあることないことテキトウなことを口をついて出さなければならない立場に待ったをかける現役刑事という構図も効いている。



 それぞれに思惑があり、いや思惑というと何かかっこよさが個人的に伴うのでエゴとしておこう。自己の利益(欲望)ばかりを追い求めている人間が事件を通じてひたすらに交錯する。一体彼らは何を見ているのか。事件の解決以外に目指すべきところがどこにあるのか。捜査に当たり目の付け所という観点で違いを見出しているのもうまかったと思う。ローラー作戦の真の目的、被疑者の絞り込みにはついつい関心してしまった。




 そして事件が解決して尚行動する人間が描かれる。

 1つは事件の解決とは一体何なのかという問題提起があるのだろう。犯人逮捕にて全てに終止符を打てるのか。犯人が逮捕されたところで、死亡したところで失われたものは戻ってこない。被害者は、被害者遺族はどうなるのか。そんな実情にも目を向けるべきであると。




 そしてもう1つは欲に目がくらんだ人間だ。こちらにはもううんざりだよ。



 だがこれこそがというのがあるのだろう。他者の利益よりも自己の利益を優先する。いや他者を蔑ろにすることで、他者の不利益こそが自己の利益に繋がるという悪循環、足の引っ張り合い。

 主人公を筆頭に事件解決に当たり見事事件を解決に導いた捜査本部の縦社会(信頼関係)が見せられたわけが、組織におけるこの構図は何もプラスにだけ働くわけではないと後を引く。はぁ~↓↓  



〇余談

 右の子かわいい~















 池澤あやか・・・かな??




〇最後に
 小澤征悦って正直微妙だよね。風貌は割と好きなんですけどね。今回みたいな何の深みも無い人間役は何とか務まってる気がする。あんまり出演作品観てない私が言うのもなんだけど・・・ 唯一劇場版でおもしろいと思った「相棒Ⅱ」でも彼独り浮いてたんだよな。アクセントにならないんだよね。あ~「海よりもまだ深く」は良かった。上っ面だけな薄っぺらい感じ。コメディが向いてるんじゃないかな。知らんけど。


 ではでは・・・




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