2017年10月26日木曜日

ハードコア(2015)

ハードコア


~体感型映画~


〇はじめに
 わたくしFPS滅茶苦茶苦手なんですよね。



〇想起する作品
 「ロボコップ」
 「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」(2002)
 「サロゲート」(2009)
 「ゴースト・イン・ザ・シェル」(2017)


〇こんな話
 ふぁーすとぱーそんしゅーてぃんぐ。

〇ピング
 ひたすらにFPS視点であり、主人公になりきるといったところがウリだろうか・・・

 しかし所々で場面が切り替わってしまうのが気になる。いつのまにかに違う場所に来ていたり、同じ場所ですら視点の切り替えが発生している。主人公の意識の有無に限らずである。これはマイナス要素ではなかろうか。

 三人称視点のアクション映画にありがちな、今どこで何が起こっているのかわからない現象。これは一人称視点ということもあり、むしろそのわからないところを開き直り、小さくは自らの死角(限定的な視野)というところに始まり、生き延びるためにはどうにかしなくてはならないとする巻き込まれ型の作品としては良い。

 しかしこの切り替えのおかげで結局は観せ物という意識が先行してしまう。流れをぶつ切る間や失敗する場面は時折映し出されており世界の繋がり(地続きであること)を途切れさせまいとする配慮は感じるが、さらにこの狭間の間が欲しい。時間やテンポの関係上移動パートはほとんど映せないのだろうけれども、やはり体感型となると地道な画があってこそだとも感じる。ほんの小さな些細なものなんだけど、編集という意思が主人公と鑑賞者との間にギャップ(ピングと言おうか)を生じさせている。故に、

 これは主人公が観た世界ではない

 これは主人公視点でありながら、主人公ではない誰かが魅せたい世界なのである

といった感覚を覚えてしまうのである。

 楽しませる・魅せるという意思の先行は映画ならではのものなわけだから別に構わないんだけどね・・・

 要はワンカットで観せる気概が欲しいのよね。



ゲーム感覚をウリにするのであれば、

 初見でノーコンできますか?

 初見でマップ理解できますか? 迷いませんか?

 初見でまずどこまでの事ができるのかと試したくなりませんか?

 死にゲーと言われるジャンルがあることを考慮しましたか?


この辺りをもう少し考慮すべきなんじゃないかな、知らんけど。







 巻き込まれるという方法で主人公と鑑賞者との同期はうまい。これから起こる出来事を主人公視点で体感してくれという意志を感じられる。しかし映画の世界における主人公と現実世界における鑑賞者との感覚に線引きをしてしまう編集という意思は正直邪魔だ。そしてこういう世界観であると理解していく、世界観に慣れていくという導入(地道さ)がこの作品には無い。自身の身体がどうなったのかというお話は為されているが、この感覚は我々には感じられないものであるが故そこまで意味を為していない。これらの解消が体感型の作品としてはこれから詰めていかなければならないところなのではなかろうか。

 ただこの作品でこのジャンルにおける方向性がある程度定まったとして功績を讃えるのもアリなのかな。




〇最後に
 あ~そうだ、鑑賞の仕方でも分かれるんだろうな。劇場の大きなスクリーンで観るのと、自宅のTVやPCの小さい画面で観るのとで。3DやVRとまだまだ道は切り開かれていくだろうから期待できるジャンルなのかな。まぁ行き過ぎると酔うからな・・・そこも難しいところだね。


 ではでは・・・


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