2014年8月6日水曜日

ハプニング(2008)

ハプニング[DVD]


~全世界同時自殺衝動解放事件~ 

〇はじめに
 自然界の現象を理由づけて説明しても理論でしかない。人は理解を超えた力の存在を見落としがち。科学者は自然に畏敬の念をもて・・・と最初に宣言している。我々の理解ではこの映画内の現象の意味は説明できないと。 

〇こんな話
 ある日突然同時多発自殺が起きる。この説明のつかない自殺衝動を、テロ行為などと数々の憶測が飛び交い、それに翻弄され逃げまどう様を描く。 

 神経に何かしらの作用をする物質が関係しているのは確か・・・なはず。劇中では植物の能力としていた。植物が身の危険を感じて、神経毒素を出し人間を自殺に導いたと。地球上で誰も我々を裁けない。だから警告したと。しかも自分で命を絶たせるという仕打ち。 実際原因やなぜかといったことは不明のまま。ズバリ、これは理論でしかない。

〇裁き
 地球には人類を裁く存在がいない。人類は人類を人類視点でしか裁くことはできない。地球の頂点に君臨していると錯覚し、本能の赴くままに発展を遂げてきた人類。この映画はそんな人類への警鐘・制裁だという理解でよろしいのか。

~人類の存在は地球にとって悪なのか?~ 
 地球は自己調節機能をもったひとつの生命体であると誰かが言った。地球ガイア仮説だったかな。ざっくりだがそれによると、地球環境は乱されたところで、元に戻ろうとすると。生物が地球に適応していくのではなく、地球が生物に適応していくと。そんな感じだった気がする。人類の出現と生存による環境破壊は予定調和であり、人類の影響など些細なものだと。 
 これの逆にメデア仮説なるものがある。それが今回のこの映画に当てはまる方であろう。 これは生命が自己破壊的に進むという。地球に適応できないものが排除されていく。淘汰である。地球が生物に適応していくのではなく、生物が地球に適応していかなければならない。その淘汰を地球の人間に対する裁きと捉えているのだろう。

・ガイア仮説で考えてみる 
 人間よいしょ説である。ジャイアン説とも(適当) 。

 資源を貪り尽くし好き勝手やっているのは確かに人間である。人間が関与しなければ変化しなかった環境は確かに存在する。しかし資源を作り出したのは誰だ、地球である。科学界のあらゆる法則が関与してではあるが。それは偶然なのか、必然なのか。人間はそれらを発見し、使用したにすぎない。そしてそれに手を出したからこそ発展を遂げてきた。その事実を見つめると、資源の存在はまるで人間様に対して、生物の発展に使ってくれと言っているようなものではないか。故に人類は今の境地に至る。地球が準備をしてくれていた材料を使って遂げるべき進化を遂げてきたに過ぎない。全ては地球の想定内。人間が勝手にのたまわっている環境破壊も含めてだ。このまま人間勝手に生きていこう。全部地球が調整してくれる。住みやすい地球万歳。

 ざっくりと言えば、人間の独裁政権。


・メデア仮説で考えてみる
 地球よいしょ説。 

 地球が資源を作り出した、それは変わらない。人間は、地球の頂点に君臨している我々が地球の資源を使用して何が悪いと言う。しかし地球からしてみたら、おまいら人間が使っていいとは誰も言ってない。たまたま発見しただけだろ。私(地球)や他の種にちゃんと許可を取ったんですか。取ったとしたら、何時何分何秒何曜日、地球が何回回った時。そして使用したならしたで用途をちゃんと明記しましたか。号泣したって許しませんよ。何勝手に使ってくれちゃってんの。訴えてやる、というより裁いてやる。鉄拳制裁!! 私(地球)が正義である。故に命令に従わないものは排除するのみ。ってな感じになっているわけです。

 ざっくり言えば、地球の独裁政権。


〇最後に
 地球が我々を裁いているにしろ、いないにしろ、この映画でおもしろいのは自ら命を絶つように仕向けていること。要は自殺である。死ぬ方法は様々でわざわざこんな死に方をするかというものまである。先ほどは地球の裁きというように書いたが、ここでもう一度考える。人間の排除のされ方が自殺というものであることを。自殺とは自らが自らで命を絶つ選択をするという行為である。地球が裁きを下しているという体で、精神を操作され死へ誘われているといえば考える余地は無くなるのだが、自らの罪を認め人類は死すべきなのであるという見解からの行動だとしたらどうだろうか。無意識・無自覚なものではなく、意識・自覚により現れる自殺という衝動。そしてそれを自殺という行動に移すまでの強い意思。我々は滅びたいのだろうか・・・。

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