2018年6月3日日曜日

THAT ザット(2016)

THAT ザット


~SNS疲れ~


〇はじめに
 原題「BEDEVILED」

 bedevil なんて単語初めて知った。まぁ知らない単語なんて山ほどあるねんけど。データベース30くらいだからな私のボキャブラリー(⌒▽⌒)アハハ! 






〇想起する作品
 「インプラント」(2002)
 「携帯彼氏」(2009)
 「アプリ」(2013)
 「her 世界でひとつの彼女」(2013)
 「アンフレンデッド」(2015)
 「都市伝説:長身の怪人」(2015)
 「ソーシャルキラー 金曜日のネットストーカー」(2016)
 「バイバイマン」(2017)





〇こんな話
 あのSiriより優れモノ! ビー・デビル!!








〇恐怖
 ニッキという女性(人間)によって繋がった友人という輪が、SNSによって崩壊する様が描きたいとするところか。


 今じゃSNSは欠かせない。そんなどこでも誰とでも繋がれるものの媒介として(総称として用いるが)スマホなるものが存在する。そんなスマホが昨今度々問題となる。



 少し手が空くと取り出してしまったり、特に何をするわけでもなくイジってしまっていることがなかろうか。それが無いと手持無沙汰で落ち着かない。友人や家族との会話の中にもスマホが顔を覗かせる場面を見かけないか、経験がないか。誰も他人の顔を見て話をしていない、いや話をしていない。電車でも皆憑りつかれた様にイジっているし、歩きスマホはスマホゾンビと揶揄され、自転車に乗りながら運転しながら、ながらスマホが度々話題に上る。

 そんなSNSに毒された現代を、友人同士の集まりにおいて一旦スマホを机の上に出させたり、母が娘のスマホを取り上げようとしたり、昔は紙を丸めて投げ合っていただろうやり取りがラインに置き換わっていたりとこの作品はうまく描いている。

 アプリを媒介に悪霊が~という話であるが、亡くなった友人のニッキからの招待に始まり、彼らの行動の起点はスマホであり、またスマホを手放すことはほとんどなく、また他者と繋がろうとする時に必ずそのスマホが媒介となっているのが最大の皮肉だろう。



 そんなSNS全盛の裏で最近“SNS疲れいう言葉を度々耳にするようになった。SNSでのやり取りに精魂尽き果ててしまうのだとか。鬱病になってしまう人も多いという。どこでも誰とでも繋がれるという弊害…

 主人公とニッキの仲の良さを余所に疎外感を感じていたもう一人の女友達がおり、付き合っていることを友人以外に公表できないでいる男友達がいたりと、実際に付き合っている友達同士でもその輪を取り持とうと自分の役割を演じ、且つ見せたいとする自分を取り繕っている様がよく表れている。

 そんな関係が直接相対する時だけでなく、プライベートな時間におけるSNSにまで波及したらいったいどうなるだろうか。ヒーローもしくはヒロイン気取りや無頓着な人は構わないかもしれないが、少し過敏な人であればいつまでも二番手三番手…ご機嫌取り…等々、嫌気が差してこないだろうか。でもその関係を取り持たなければいけないというストレス・・・、身に覚えがないだろうか?


 その反動かどうかはわからないが、SNSを起点として魅せたい自分を殊更に描き出そうとする事での現実とのバランスの崩壊も度々起こる。

 共感を募る事で自分を大きく魅せられるし、またその一方で一向に埋まらない孤独故に小さくも見られてしまう。繋がりを繋ぎとめるためにSNSで演じている自分と、本音を語る場の無い実際の自分。そのギャップが広まれば広まるほど焦燥感を募らせ空虚感に苛まれまた疲れてしまう…ってことがあったりなかったりする中・・・

 その情報を受け取る側は、そんなプラスばかりの情報を真に受け、勝手に自らのマイナス情報と比較することでひたすらに自らを貶めてしまうこともしばしば。

 自称非リア充から見る自称リア充の投稿ってまぁそれはそれはうざく感じるんですよね…(笑)


 自らで見たい情報を選別しているにも関わらず、なぜか見なくていいものをついつい見てしまうという衝動がなかろうか。自分の理想と相手の実際を照合したく、自らの安心のためにどこか相手の不幸を願ってしまう。しかしそこにギャップが存在すると、何で私ばかり↓↓↓↓と勝手に不安に陥る悪循環・・・ 怖いもの見たさ、と言い換えても良いかもしれない。


 




 ・ピエロ(恐怖症)

 ・差別意識の根源…黒人、アジア人…

 ・駆け落ちしたと思っていたら井戸の底で死んでいた叔母(の写真)

 ・父親にクリスマスにもらった唯一のプレゼントのテディベア

 ・クローゼットの中(扉から覗く隙間)


 誰しもに潜在している恐怖、様々なところに内在し内包している恐怖がSNSによって増幅させられている様は当に現代病であるSNS疲れへと通ずる。


 まぁコイツ↓が話してることがこの作品のメッセージなんだよね・・・



 恐怖こそが人類を…という件・・・








 SNS依存の果てにある何かしらの未来…そういった警鐘を鳴らす作品としてはアリか・・・な?









〇最後に
 人類よ、今すぐスマホを置くんだ!!!



 ではでは・・・

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